第7回なっとく健康スクール

平成28年4月18日第7回なっとく健康スクール「睡眠時無呼吸症候群(SAS)と循環器疾患編」をしました。この会は毎回クリニックの待合で行なうので25名でぎゅうぎゅうですが、なんと25名の方にご参加頂きました。今回の内容は、SASがなぜ循環器疾患(心臓病、血管病、高血圧など)を引き起こすのか、それはどのような病気でどの程度起こりやすいのか。寿命はどうなるのか。SASの治療をするとそれらは予防できるのか。などなど1時間お話ししました。SASは1回の無呼吸が自律神経、低酸素、圧負荷、容量負荷などを介して心臓に負担をかけるだけでは無く、睡眠の質の低下、眠気による活動量の低下や過食、或いは眠気を紛らわすためのカフェインやニコチン摂取など、様々な介在するメカニズムにより心血管系に負担をかけ続けます。それにより高血圧、不整脈、狭心症、心筋梗塞、心不全、脳卒中と言った重大な疾病の発症につながっていきます。重症のSAS患者さんの生存率が5年で約8割、10年で約6割である原因の多くはこれら循環器疾患であると考えられます。しかしながらこれほど大きく落とし込む生存率への影響が、SASの治療を行なうことにより、健常の方とほぼ同じところにまで改善されます。
今回この勉強会をすることに何年も躊躇してきました。それはSASがもたらす深刻な問題の核心部分だからです。下手な話し方をすれば聴講者の方々に恐い思いや不安を与えてしまう。だからこそ僕自身の専門分野でありながら、患者さん方に発表出来る自信をなかなか持てずにいました。この講話で少しでも多くの方にSAS治療の大切さが分かってもらえたら幸いです。
今回、なっとく健康スクールにご参加頂きました聴講者の皆様、ご協力頂きましたメディセオ小原様、有り難うございました。第8回もご期待下さい。